理系弁護士、特許×ビール×宇宙×刑事

理系弁護士・弁理士。特許、知財、宇宙、ビール、刑事事件がテーマです。

特許実務-間接侵害と特許クリアランス(その1)

 

はじめに

 

 今回から、間接侵害等が問題となり得る部品・部材・モジュール・材料等についての、特許クリアランスに関する記事を書きたいと思います。

 

 特許クリアランスというのは、企業などが、自社の製品が他社の特許権を侵害していないかを事前に確認・検証する作業です。企業のコンプライアンスの一つでしょうか。

 

 特許権直接侵害・文言侵害については、十分な特許クリアランスをされている企業は多いかと思います。

 一方で、間接侵害・均等侵害については、やろうとしてもなかなか難しいところです。

 

 というのは、文言侵害でさえ、クレーム解釈を伴う難しい判断となるのに、更に、非専用品型間接侵害の「課題の解決に不可欠か」否か、均等侵害における本質的部分とは何か、となると、それらの概念自体が難しく、かつ、更に複雑な検討を要することになり、企業内ではなかなか十分な特許クリアランスが難しいのではないかと思います。

 

 そうはいっても、後述する101条本文にあるように、間接侵害も、侵害とみなされますので、ある程度は検討せざるを得ません。

 

間接侵害の規定

 

 まず、間接侵害の規定は、以下のとおりです。

 

--------------------------------------------------------------------------------------------------

(侵害とみなす行為)
101条 次に掲げる行為は、当該特許権又は専用実施権を侵害するものとみなす
一 特許が物の発明についてされている場合において、業として、その物の生産にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
二 特許が物の発明についてされている場合において、その物の生産に用いる物(日本国内において広く一般に流通しているものを除く。)であつてその発明による課題の解決に不可欠なものにつき、その発明が特許発明であること及びその物がその発明の実施に用いられることを知りながら、業として、その生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
・・・
四 特許が方法の発明についてされている場合において、業として、その方法の使用にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
五 特許が方法の発明についてされている場合において、その方法の使用に用いる物(日本国内において広く一般に流通しているものを除く。)であつてその発明による課題の解決に不可欠なものにつき、その発明が特許発明であること及びその物がその発明の実施に用いられることを知りながら、業として、その生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
・・・

--------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 物の発明と方法の発明では規定ぶりはていますが、それぞれ注意するところが異なります。

 今回は、物の発明について検討します。

 

物の発明について

 

 物の発明の場合、リスク分類は以下のイメージです。

 右に行くほどリスクが高く、左に行くほどリスクが低くなります。

 

 このうち、①発明品実施品直接侵害にあたることは、比較的容易に侵害判断できるとして、②1号のいわゆるのみ品専用品)ついても、発明たる物の生産に「のみ」用いる物ですので、発明品(実施品)に近いので、比較的、侵害判断が難しいものではありません。 

 

 逆に、汎用品(=「日本国内において広く一般に流通しているもの」(2号参照)。たとえば、ネジ、釘など)も、被疑侵害品にあたらないとの判断は容易です。

 もっとも、どこまでが汎用品にあたるかは、裁判例上も不明確なところがありますが・・・。

  

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リスク分類

 

 問題は、③2号の不可欠品(非専用品)です。

 客観的要件としての「課題の解決に不可欠な物」は、発明全体に占める部品(部材、材料、モジュール)の重要度を把握する必要があります。

 そのためには、条文の文言にあるように、本件発明の課題が何かを把握する必要があります。

 

 また、出てきましたね、本件発明の課題。以前の進歩性シリーズの記事でもさんざん取り上げましたが、厄介な概念ですよね。

 

 「課題」の概念の厄介さを復習しておくと、「課題」は、

 

 ・必ずしも、明細書において一義的に定まるとは限らない、

 ・発明(構成要件)との対応関係が必ずしも明確ではない場合がある、

 ・課題が(発明・構成要件との関係で)複数記載されている場合がある、

 ・課題は、上位概念としても下位概念としても捉えることができる、

 

などです。

 条文の要件としては、「課題の解決に不可欠な物」なので、課題は何かなぁと明細書をちらちら見つつ判断するわけですが、結局のところ、発明全体に占める部品等の重要度を見るしかないように思われます。

 

 均等論における本質的部分の把握に近いので、このように考える方が統一的に判断できそうですしね。

 

公知品は不可欠品にあたらないか?

 

 部品等が公知品であれば、原則として、不可欠品の可能性は低いと考えてよいと思います。

 プリント基板用治具用クリップ事件東京地裁平成16年4月23日判決)では、課題と無関係に従来から必要とされていたものは不可欠品にあたらない、とされています。

 また、ピオグリタゾン事件東京地裁平成25年2月28日判決)でも、複数の薬剤を組み合わせた医薬特許に関し、単剤の医薬は公知物質で、間接侵害を認めることは特許権の及ぶ範囲を不当に拡張する結果となる、とされています。

 

 ただし、学説の中には、公知品の中でも、他の部品との組み合わせにより、新たな発明となった婆いには、不可欠品に該当し得る可能性があるというものもあります。

 たとえば、公知品(部品)の組み合わせることにより、(単なる寄せ集めではなく、)進歩性のある発明とされた場合です(前掲ピオグリタゾン事件が例としては近いでしょうか。)。

 この場合の理解は、用途発明(公知品を新規な用途に使用した発明)の場合とパラレルに考えることができそうです。

 その学説によれば、公知品であっても、発明に用いる用途で生産等されていれば(いずれ発明品を製造するであろう商流にのっていれば)、不可欠品に該当し得るというわけです。

 

 でも、そもそも、①公知品は不可欠品とは評価される可能性は低いですし、②仮に、上記学説に従うとしても、商流(部品等がどのように使われるか、その行く末)をある程度把握できていれば、それほど心配はいりませんよね

 

不可欠品の判断

 

 そして、結局のところ、不可欠品にあたるかどうかは、本件発明の課題が何かを「できる限り」客観的に把握しつつ、部品等の発明に占める重要度を把握することで、リスクの高さを把握するしかなさそうです

 

主観的要件(知りながら)

 

 主観的要件(知りながら)は、過失は含みませんが、部品等の性質、その客観的利用、提供方法などに照らし、販売者いおいて、部品等を入手する者のうち、例外的とはいえない範囲の者がその部品等を特許権侵害に利用する蓋然性が高いことを認識しているとき、です。

 

 やはり、商流をある程度把握する必要がありそうです。「知ってただろ」と評価されないために。(抽象的な認識で足りるとされる)医療器具事件平成23年6月10日東京地裁判決、平成20年(ワ)第19874号)あたりが参考になりそうです。

 

 もっとも、特許権者から、警告書を受領したり、訴状が送達された時点では、この主観的要件は満たされることになります。

 

まとめ  

 

 今回は、物の発明についての間接侵害リスクの把握について書きました。

 (課題を見ながらの)発明に占める部品等の重要度、及び、部品等の商流の把握、が重要ポイントでした。

 

 次回以降も、物の発明方法の発明についての間接侵害のリスクの把握、更に、契約の問題として、部品等における特許保証についても記事にしていきたいと思います。

 

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ビール紀行(ルクセンブルク大公国)

 

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ルクセンブルクのスーパーに売ってるビールの樽

 

はじめに

  

 今回のビール紀行は、ルクセンブルクです。

 

 ルクセンブルクは、あまり馴染みのない国だと思いますが、ドイツ・フランス・ベルギーに囲まれた小国です。

 しかし、一人当たりの名目GDPが世界一のお金持ちの国です。

 

www.google.com

 

 私が住んでいたミュンヘンからは、直行便の飛行機で行きました。

 

ルクセンブルクの市街へ

 

 空港から、早速、バスで市街地に向かいました。

 

 

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欧州司法裁判所(Court of Justice of the European Union)

 

 途中、欧州司法裁判所EUの最高裁判所の建物(金色のビル)が見えましたので、バスの中から写真を撮りました。

 

 手前に見えているのがトラムですが、私が行った2017年はまだ開通しておらず、試運転中でした。もう今は開通しているようですね。

 

 記事を書くのに少し調べていたら、ルクセンブルクでは、今年(令和2年)3月1日から、電車・バス・トラムが無料化されたそうです。凄いですね。

 

 ルクセンブルクの中心部が近くなり、バスを降りると、さっそく素敵な建物があったので写真をとりました。

 何かのお城かと思い、後で調べたら「高齢者センター」とあります。ネットで調べたら高級老人ホームのようです。お城や大学のようで、凄く豪華ですね。

 

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高齢者センター(高級老人ホーム)

 

 少し歩くと、下の写真のような素晴らしい眺めの場所に来ました。

 

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ルクセンブルクの街並み(グルント地区)

 

 市街地と写真のグルント地区との間には、大きな高低差があります。

 市街地にある展望台のエレベーターから下に降りることできるようです。

 

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欧州投資銀行

 

 このように眺めの良いところをぶらぶらと散策しました。 

 

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ルクセンブルクのケーキ

 

 カフェ付きのパン屋さんがあったので、そこで少しケーキを買って食べました。300円程度で、それほど高くもないですね。

 

 日本のケーキと大差なく、すごく美味しかったです。ドイツの甘いだけのケーキとは全然違い、繊細でした。

 

ルクセンブルクのビール

 

 ご紹介するルクセンブルクのビールは、下の写真の3種類です。

 写真の左から右へ、以下の各醸造所のビールです。

 

 ・シモン醸造所(ブラッセリー・シモン)

 ・バタン醸造所(ブラッセリー・バタン)

 ・ボッフェルディング醸造所(ブラッセリー・ボッフェルディング)

 

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ルクセンブルクのビール

 

brasseriesimon.lu

battin.lu

www.bofferding.lu

 

  スーパーでは、下の写真のビール(ディーキルヒ)も買って、ホテルで頂きました。

 

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ルクセンブルクのビール(ディーキルヒ)

 

 冒頭の写真のように、ルクセンブルクだけでなく、ドイツ、オランダ、ベルギーをはじめとした様々なヨーロッパのビールの樽も売っていました。

 ルクセンブルクは、治安もよく、ショッピングモールも充実していて、ビールもありますので、住んでも大丈夫そうです。

 

最後に

 

 ルクセンブルクには一泊だけして、翌日、長距離列車に乗って、次の目的地に向かいました。 

 下の写真は、ルクセンブルクです。

 

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ルクセンブルク

 

 今回の旅行の目的地は、実はベルギーです。

 費用の関係で、ミュンヘンからブリュッセル往復ではなく、ミュンヘンルクセンブルクの航空チケットを購入しました。こっちの方が断然安かったので。

 ルクセンブルクからブリュッセルまでの電車チケット(往復)も、事前にネットで予約し、安く買えました。

 

 ルクセンブルクは、中継地点として、少し立ち寄っただけですが、4種類のルクセンブルクのビールに出会えたので、大満足でした。

 

  次回以降に、ベルギーのビール紀行をお届けします。

 

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刑事事件-タトゥー裁判、国家権力は文化を抹消する力をもっている

 

はじめに

 

 タトゥー掘り師が、客にタトゥーを入れたとして、医師法違反の罪(刑事事件)に問われていた事件で、最高裁で、無罪が確定したそうです。

 ちなみに、

 

 一審(地裁)で「有罪」 → 二審(高裁)で「無罪」 → 最高裁で「無罪」

 

でした。

 

www3.nhk.or.jp

 

最高裁の判断の内容

 

 最高裁の判旨を読みました。

 医者が独占すべき「医行為」とは何か、という解釈が問題となっています。

 

 ① 「医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為

  という解釈(検察、一審の解釈)をとると、

  →タトゥーを入れることは、これに該当し、有罪

 

 ② 「医療及び保健指導に属する行為の中で、

    医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為

  という解釈(二審、最高裁の解釈)をとると、

  →タトゥー彫りは、医療及び保健指導に属する行為」に該当せず、無罪

 

 最高裁の「医行為にあたるか否かの判断基準は、

 

 「ある行為が医行為に当たるか否かについては,当該行為の方法や作用のみならず,

  その目的行為者と相手方との関係,当該行為が行われる際の具体的な状況

  実情や社会における受け止め方等をも考慮した上で,社会通念に照らして判断する

  のが相当である。」(下線、赤は私。)

 

でした。総合考慮ですね。

 

 最高裁の「あてはめ」(本件ではどうか)は、

 

 「被告人の行為は,彫り師である被告人が相手方の依頼に基づいて行ったタトゥー施

  術行為であるところ,タトゥー施術行為は,装飾的ないし象徴的な要素や美術的な

  意義がある社会的な風俗として受け止められてきたものであって,医療及び保健指

  導に属する行為とは考えられてこなかったものである。また,タトゥー施術行為

  は,医学とは異質の美術等に関する知識及び技能を要する行為であって,医師免許

  取得過程等でこれらの知識及び技能を習得することは予定されておらず,歴史的に

  も,長年にわたり医師免許を有しない彫り師が行ってきた実情があり,医師が独占

  して行う事態は想定し難い。このような事情の下では,被告人の行為は,社会通念

  に照らして,医療及び保健指導に属する行為であるとは認め難く,医行為には当た

  らないというべきである。」(下線、赤字は、私が入れました。)

 

 です。

 

検察、裁判所には、歴史的な文化を抹消する力がある

 

 検察や一審裁判所は、事実上、一つの日本の文化を抹消しようとするところでした。

 

 実際、医師免許がないと彫り師ができないとなると、(彫り師をやるために医師免許をとったり、逆に、医師が、彫り師になったりすることはほとんど想定されないので)事実上、タトゥー彫り師は居なくなりますからね。

 

 一つの文化を抹消することができるなんて、すごい権力ですよね。恐ろしい。

 

 大阪高裁や最高裁が、文化の重要性を認識し、無罪としたのにはホッとしました。

 なお、最高裁は、

 

 「タトゥー施術行為に伴う保健衛生上の危険については,医師に独占的に行わせる

  こと以外の方法により防止するほかない。」

 

ということで、タトゥーの施術に身体への危険性があることは確かなので、業界の自主規制や行政による規制により対処すべき問題としました。 

 

最後に

 

 弁護団は、一つの文化を守るために尽力されました。

 素晴らしい。そして、良かったです。

 

 ちなみに、日本では、タトゥーって、反社会的勢力(映画)のイメージがあって嫌悪感を持つ方が多いのは確かです。

 

 でも、私、ドイツに留学して、店員さんの腕には普通にタトゥーがあり、普通の若い女の子とかがタトゥーを入れているのをたくさん見かけました。

 タトゥーについて聞いたこともありました。

 

 「私、カメラが好きなので、カメラのタトゥーを入れたの。素敵でしょ?」

 

という感じでした。

 タトゥーのお店も、街中に普通にありました。ネイルサロン的な感じです。

 

 来年は東京でオリンピックがあるのですよね。大阪万博もありますよね。外国から多分たくさんタトゥーを入れた普通の観光客がやって来ます。

 そのような方々に対して、

 

 「日本では、タトゥーの施術は医療行為だから、彫り師がタトゥーを施術すると、

  刑事事件になるんですよ。

  (外国では違法ではないとしても)日本では、あなたは、犯罪者に施術された

  人っていう評価(見方)をされてしまう可能性もあるのですよ。」

 

と言えるでしょうか?

 

 最高裁の判断、というか良心に、あらためてホッとしました。

 

 そういえば、小学校のときによく食べた鯨のベーコンが急に食べたくなりました。 

 (捕鯨も日本文化でしたね。)

 

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特許実務-ウェビナーの講師をやりました。

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ウェビナーのタイトル

 

はじめに

 

 9月18日(金曜日)に、いわゆるウェビナー(オンライン・セミナー)の講師を担当しました。下記の特許実務に関するセミナーです。

 

www.rdsc.co.jp

 

 タイトルがてんこ盛りなのは、(私が考えたわけではなく、)セミナーの主催者がお考えになりました。集客や検索ヒットのためなど、色々とあるのだろうと思われます。

 

 もっとも、セミナーの内容は、下記の目次とおりで、プレゼン資料は100頁を超える大作で、4時間かけて説明します。多分、タイトル負けしていません。

 説明する方の私は、最後は、いつも喉が枯れてしまいますが・・・。

 

----------------------------------------------------

1.強い特許クレームの書き方について
 1-1  権利範囲としての特許クレーム
 1-2 理想的な特許クレームとは
 1-3  特許クレームの難しさ
 1-4 特許クレームの落とし穴
 1-5  特許クレームに関する様々な概念
 (1)上位概念・下位概念
 (2)従属クレーム
 (3)数値限定クレーム
 (4)その他の特殊なクレーム
 1-6 自社特許の強化方法(クレームの記載による)
 1-7  特許クレームに関するいくつかの裁判例

2.特許クレームをサポートする明細書について
 2-1  明細書の各項目
 2-2  明細書の記載要件
 2-3  クレームのサポート要件(明細書との関係で)

3.他社特許発明の分析方法とその対応について
 3-1  特許権侵害の考え方
 (1)文言侵害
 (2)均等侵害
 3-2 特許権侵害の未然防止策
 3-3  他社特許発明の分析方法と自社製品の検証
 3-4  特許権侵害の対応策
 3-5  他社特許を無効に
 (1)進歩性の考え方
 (2)記載要件その他の無効理由
 (3)異議申立・無効審判・特許無効の抗弁
 3-6  審査官・審判官・裁判官の考え方

4.特許情報の自社の研究開発・特許出願への活かし方
 4-1  特許関連情報の取得・活用
 4-2 自社特許の強化方法(発明の発掘・創出)
 4-3  出願か秘匿か

5.まとめ  

----------------------------------------------------

 

前回のセミナーは対面でしたが、今回は・・・

 

 前回の7月の特許実務に関するセミナーについては、下記の記事で書きました。

 

masakazu-kobayashi.hatenablog.com

 

 前回のセミナーは、コロナ渦にも関わらず、何とか対面で開催できたのですが、今回のセミナーは、さすがに、オンラインということで、いわゆるウェビナーの講師の初体験でした。

 

 厳密に言うと、1か月ほど前に、ドイツの依頼者向けに、英語で日本の特許訴訟制度についてプレゼンをしたのですが、お金を頂いてのウェビナー講師というのは、実は、初体験です。

 

ウェブでのミーティングはよくあるが・・・

 

 対面でのミーティング(依頼者からのご相談)も増えてはきましたが、今でも、ミーティングのメインは、ZoomやTeamsです。

 

 ですので、Zoomなどは普段から使っているので、それほど心配はないはずなのですが、講師となると、もし途中でトラブルが起こってしまったらどうしようとか考えると、最初はちょっと緊張しました。

 

 結局は、全く問題なく、いや、むしろ対面よりも快適にセミナーを終えることができました。

 

出席者からの質問

 

 最初に、「セミナーの途中でも、自由に質問してください。」と申し上げましたが、幸い、途中での質問を多く頂きました

 おそらく、対面のときより、気軽に質問がしやすいのではないでしょうか

 この点は、ウェビナーでよかったと思います。

 

ウェブセミナーの問題点

 

 出席者の顔が見えません。出席者は、たいてい映像は切っているので、ちゃんと理解してもらえているのか、そもそも聞いてもらえているのか等が分かりません。

 

 これは、ちょっと不安でしたので、セミナーの途中で、しょっちゅう、「ここまでのところで、何かご質問等ございましたか?」を頻発していましました。

 

 もっとも、途中での質問がいくつかあったので、ちゃんと聞いていてくれている(人がいる)ということで、進めていくうちに、不安はなくなりました。

 

最後に

 

 来月は、私が働かせて頂いている知財部の技術系の方向けに、間接侵害に関する特許クリアランスと、部品・部材に関する特許保証についてのウェビナーをやる予定です。 

 

 ところで、最近は、ウェビナーだけでなく、より積極的に、ユーチューブで、弁護士や知財関係者が、動画を配信することが増えています。

 刑事事件関係のユーチューブも増えてきました。

 

 皆さん、それぞれ、お考え思惑があるのだろうと思います。

 

 私は、口頭での説明に自信があるというわけではないので、当面は、今のブログでの文章による発信(もはや、時代遅れという人もいますが、)を続けていきたいと思います。

 

 私は、特に、考えや思惑はありませんでした。単に、5月半ばにコロナ渦で暇だったのでブログを始めてしまい、1日1記事を続けていたら、(忙しくても)途中で止められなくなってしまったというだけです。

 

 しかし、最近は、外圧などにより、弁護士も商売であるということは、だんだん意識せざるを得なくなっています。ですので、私も、セミナーやブログをやることに、全く思惑がないわけではありません。

 ↓

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 ↓

 ビール会社や、ビール醸造所の顧問弁護士は、喜んでお受けします!

 小さい醸造所の場合は、弁護士費用は(ご相談次第では)現物支払いで構いません(笑)。

 

 一方で、下記の記事のような自首の同行は・・・まぁ、どうしてもご心配でしたら、ご相談にのります。

 

masakazu-kobayashi.hatenablog.com

masakazu-kobayashi.hatenablog.com

 

余談(「ビール 弁護士」でググると・・・)

 

  全くの余談ですが、気が付いたら、「ビール」&「弁護士」でググると、結構上位にヒットするようになりました。単純に、嬉しいです。

 

 

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ビール紀行(ドイツ・ミュンヘン・韓国料理)

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韓国料理(甘辛肉ばら炒め)

はじめに

 

今回のビール紀行は、ドイツ・ミュンヘンに戻って、ミュンヘンの韓国料理屋さんです。

 

ツム・コリアナー(Zum Koreaner)

 

ドイツにいると、日本料理が食べたくなるのはもちろんですが、無性に辛い韓国料理が食べたくなります。

他の料理にはない何かがあるのでしょうね。

 

私が留学中にときどき通っていたのが、ツム・コリアナー(Zum Koreaner)です。

 

www.google.com

 

私はマックスプランク研究所併設のLL.M.でしたが、その最寄り駅から1駅離れたUniversität駅(ウニヴァーシテート駅)から歩いて3分ほどのところにあります。

定期を持っていたので、気軽に電車で行くことができました。

 

ドイツ語のUniversitätは、英語で言えばUniversityつまり大学です。

ミュンヘン大学の近くですので、学生の方も多くアジア人学生も多かったです。

 

このお店には、アジアの学生を中心に、たくさんの学生が通っている感じでした。

 

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韓国料理(ユッケジャン)

 

私が、一番よく食べたのが、ユッケジャン。ご飯を中に入れて食べます。辛いです。

 

二番目によく食べたのが、冒頭の写真の豚バラの甘辛炒め(コチュジャン・サムギョプサル)です。

 

月に1、2度は、どうしても食べたくなる味でした。

 値段も7ユーロ弱と、ドイツのレストラン(外食)にしては安かったです。

 

ビール

 

辛い料理を食べる際は、ついビールを飲みたくなりますね。

お昼休みに短時間で行くことが多かったので、あまりビールは飲まなかったのですが、ちょっと時間があるときは、ビールとともに頂きました。

 

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韓国料理とともにビール(マクスルライナー・へレス)

 

ビールは、マクスルライナー・へレス(Maxlrainer Helles)です。

 

www.maxlrain.de

 


ミュンヘンから少し離れたところにある醸造所で、1636年創業のようなので、やはり歴史がありますね。

 

辛い観光料理には、すっきりしたへレス・ビールがよく合います。

美味しい韓国料理とドイツビール、文句ありませんね。

 

最後に

 

この韓国料理屋は、留学中、大変お世話になったお店です。

持ち帰りもできて大変便利でした。

 

そういえば、韓国・ソウルのビール紀行も以前に書きました。

 

masakazu-kobayashi.hatenablog.com

masakazu-kobayashi.hatenablog.com

 

また、ドイツでのレストランも紹介したいと思います。

 

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刑事事件-持続化給付金の不正受給も弁護士を伴って自首すべき?

 

はじめに

 

 前回、「児童ポルノ所持罪で、弁護士を伴って自首すべきか?」という記事を書きました。

 

masakazu-kobayashi.hatenablog.com

 

 犯罪の性質は全く異なりますが、同じく、自首をめぐって、持続化給付金の不正受給も問題になっていますね。

 

www.jizokuka-kyufu.jp

 

不正受給を受けると・・・

 

 ニュースによると、持続化給付金の申請を指南する組織があり、学生や主婦が、個人事業主としての実態がないのに、組織に誘わ、指南を受けるなどして安易に虚偽の申告をして100万円の給付を受け、その組織は(たとえば)30万円を手数料として受け取っているようです。

 

 中小企業庁の前掲のパンプレットを見ると、

 

 (100万円+遅延利息金3%)×1.2(20%増し)=120万円+α

 

の返還を要求していますね。

 ちなみに、改正民法で法定利息は(とりあえず)3%ですし、20%増しというのは出資法の上限金利と同じですね。

 

 そうすると、不正受給を受け取ってしまった方は、組織に既に30万円支払った上、更に、100万円の返還はもちろん、20万円+αを支払わなければならないことになります。

 結局、計算すると、100万円を返金した上で、

 

 50万円+α

 

を失うことになりますね。悪いこと(詐欺罪)をしてしまったのだからやむを得ないかもしれません。

 

自首ビジネス・・・

 

 ここで、またしても、弁護士ビジネスの登場です。

 ネットでググると、児童ポルノ所持罪と同様、不正受給(詐欺罪)に関しても、弁護士による同行の自首ビジネスが見られます。

 ある法律事務所のHPによると、自首に同行したりして、弁護士費用が数十万円になっていますね・・・。児童ポルノ所持罪と同じビジネスモデルですね。

 

 おそらく、ネットで自首を勧めている弁護士のところに相談に行って言われるのは、

 

 「これは大変な詐欺罪です。組織(身元不明)から指南を受けて30万円を支払っており、共犯事件もになり得、振り込め詐欺同様、非常に重いです。逮捕の可能性も十分にあります。逮捕を免れるため、早期に、迅速な対応が必要です。自首の手続きをしましょう。弁護士がサポートし、同行した方が逮捕の可能性が低くなります。

 なお、同行に際しての弁護士費用は、数十万円です・・・。」

 

 といったところでしょうか。

 この説明は、最後の一文を除いて、特に間違っているというわけではないのです。

 でも、逮捕されていない段階で、弁護士に数十万円を払うべき事案なのか・・・という点が問題です。

 

 弁護士に同行してもらって数十万円も払うより、弁護士に相談し、①不正受給に至った経緯と②(分かる範囲での)組織の情報を書面化し、場合によっては、それをチェックしてもらうのに留めた方が、弁護士費用は、せいぜい5500円~数万円程度で済みそうです。

 もちろん、数十万円という多額のお金を払ってでも、弁護士に同伴してもらいたければ、それは止めませんが・・・。

 

 それより、自分自身で自首し、万が一、逮捕されたら、直ちにその弁護士に連絡が行くようにしておけばよいのではないでしょうか。どうせ、逮捕されれば、私選弁護で別途、弁護士費用かかりますし。

 

 あと、先に、前掲のコールセンターに電話して2割増しの返済・賠償を先にした方がよいかもしれませんね。ただし、直ちにコールセンターに捜査機関に通報されてしまうと、場合によっては自首が成立しなくなってしまいます。

 コールセンターの対応がどうなるのかは、ちょっと情報がないので分かりません。

 実際に私がこの件で相談を受けたら、(依頼者の名前は言わずに)コールセンターでまずは確認してみようと思います。明確な回答はないかもしれませんが。

 

 いずれにしても、もし弁護士の自首ビジネスに乗っかると、まずは、弁護士に数十万円で自首同行をお願いし、更に、それでも逮捕されてしまったら、私選弁護で更に数十万円。トータル100万円くらいになってしまいますね・・・。

 

masakazu-kobayashi.hatenablog.com

 

最後に

 

 不正受給により、(組織と2割賠償で)50万円を失った上に、弁護士にも数十万円を払う・・・。

 

 私も、将来、食べるのに困ったら、自首ビジネスでもやりましょうかね(笑)。

 もし、今後、何かで自首される際は、下記までご連絡ください。

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(冗談です。)

 

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特許実務-進歩性について考える(その7)1個を2個にすることは容易か?(続き)

はじめに

 

 前回は、(スラスタ1個を有する移動体である)1つの引用発明のみに基づいて、(スラスタ2個を有する移動体である)本件発明を容易に想到し得るか、について検討しました。

 

masakazu-kobayashi.hatenablog.com

 

   今回は、(それぞれ、スラスタ1個を有する移動体である)2つの引用発明から、(スラスタ2個を有する移動体である)本件発明を容易に想到し得るか、について説明したいと思います。

 

事例

 

 特許庁のホームページは、知財に関する情報の宝庫で、いつも感心させられます。

 

www.jpo.go.jp

 

 同ホームページには、知的財産権入門テキストというのがアップされており、その中の特許制度の概要の18頁に以下のような事例があります。

 

www.jpo.go.jp

 

f:id:masakazu_kobayashi:20200917124820p:plain

特許庁ウェブサイト・2020年度知的財産権制度入門テキスト18頁より

https://www.jpo.go.jp/news/shinchaku/event/seminer/text/2020_nyumon.html

 

 要するに、(左上図の)船外機(だけ)を有する船と、(左下図の)空中プロペラ(だけ)を有する船に基づいて、船外機と空中プロペラの両方を有する船とすることは、容易に想到し得たと判断される可能性がある、ということのようです。

 

検討

 

 上記事例の説明中にある「単に寄せ集めたにすぎない」という理屈は、審査基準(進歩性)にある下図で、進歩性を否定する方向に働く要素のうち、「先行技術の単なる寄せ集め」として挙げられているものを意識していると思われます。

  

f:id:masakazu_kobayashi:20200917191221p:plain

審査基準 第III部 第2章 第2節 進歩性 3頁より

 

 「単なる寄せ集め」というのは、イメージとしては、互いに関連しない独立した構成(本問では、船外機と空中プロペラ)であれば、通常は何の支障もなく組み合わせられるから、進歩性がない組合わせの類型という意味において、「寄せ集め」という表現を使っているイメージです。

 

 もっとも、特許庁の本事例の説明でも、「進歩性がないと判断される可能性がある」とされているように、本事例で必ず進歩性が否定されるわけではないと思われます。

 

 進歩性を否定する方向の要素が多い(少なくとも、技術分野が共通単なる寄せ集め)ので、進歩性は否定され得るだろうという一応の判断だと思われます。

 

masakazu-kobayashi.hatenablog.com

 

 さて、前回の上記記事で述べたように、スラスタに限らず、あるものを1個から2個に増やすというのは、これまで複数のスラスタを設けるという発想(技術思想)がなかった場合には、まずは、進歩性がある、と考えられるのではないかと個人的には思っています。

 たとえば、2画面携帯などは、利便性が大分向上しますよね。

 鍵を1つから2つにするだけで、セキュリティは倍以上に高まります。

 

 本事例でも、「船外機」と「空中プロペラ」を、その違いを捨象して、スラスタだと考えると、各引用発明には、スラスタを複数にするという発想がないので、進歩性が認められてもよさそうです。

 

 しかし、本事例の場合は、少し特殊で、各引用発明の「船外機」と「空中プロペラ」は、(両方スラスタであるとしても、)それぞれ船の「別の位置」に設けられたものであり、これらを(技術分野の共通性、機能・作用の共通性等の動機付けで)組み合わせて、結果的に、(別々の場所にあるが)2つのスラスタを有する船ができてしまいます

 

 したがって、従来、単数であったものを複数にするという技術思想(発想)がなかったとしても、別々の位置ある場合には、それらを組み合わせて、結果的に、(別々の位置にある)複数にすることが容易想到になってしまうのです。

 

進歩性が認められるためには・・・

 

 これに対して、特許査定をめざす(進歩性を肯定する方向の)主張として、一応考えられるのが、

 

 ① 「船外機」と「空中プロペラ」の両方を設けた本件発明は、おそらく推進力の増大が課題ですので、「船外機」、「空中プロペラ」のみの各発明には、そのような課題がない、つまり、本件発明と各引用発明の課題が異なること

 

 ② 「船外機」と「空中プロペラ」の各引用発明の課題が異なる場合には、その点、

 

 ③ 「船外機」と「空中プロペラ」の各引用発明のそれぞれに、別のスラスタを追加的に設けることについて示唆がない点(もしあれば、その引用発明単独で、新規性・進歩性なしですね。)

 

 ④ 阻害要因があること(互いに、もう1つのスラスタを設けることにつき、何らかの支障がある構造をしている等)

 

が挙げられますが、決定的に組み合わせられない事情は少ないように思われます。

 

また、

 

 ⑤ 有利な効果があること(一つが壊れても、もう一つで推進できる等)、

 

も主張できますが、予想され得る範囲の効果であるとして、なお、進歩性は否定される可能性があります。

 あるいは、予想できない効果が明細書に記載されており、それを引用して主張しても、「その効果は、必ずしも構成に反映されていない」などという理由で、なお、進歩性が否定されるおそれがあります。

 

 私の経験上、少なくとも進歩性の判断者のうち、(機械系の)特許庁審査官は、個数の問題とよりも、

 

 「これは『単ある寄せ集め』だな」 → 「進歩性なし」

 

という心証を持つ可能性が高いように思われます。

 

 そこで、これを「単なる」寄せ集めではないと反論するには、やはり、一味加えること(=+αの構成)が必要になってきます。

 

 クレームの補正のアイデアとしては、(本事例では、絵からして、両スラスタの配置の工夫を限定構成としても無駄なので、2つのスラスタを有する船「ならでは」の観点たとえば、

 

 ・2つのスラスタの機能的な関連性(切替可能・連携可能など)

 ・2つのスラスタの構造的な関連性

 

などをクレームの補正で追加するあたりが一般的なアイデアだと思われます(もちろん、明細書に根拠がないと、新規事項追加になってしまいますが)。

 

 機能的な関連性、あるいは、構造的な関連性は、本件発明において何らかの工夫がある(明細書に記載されている)と思われるので、これに相当する構成を追加するというわけです。

 

 もっとも、権利範囲を必要以上に狭めないため、クレームの補正は、必要最小限度の構成の追加でなければなりません。

 

 下記の記事で以前に少し書きましたが、広い特許発明ほど強い特許発明です。

 一般論としては、クレームで、構成を限定すればするほど、権利範囲は狭くなってしまいますよね。

 

masakazu-kobayashi.hatenablog.com

 

 さて、一味加える限定構成(補正クレーム)の案ですが、たとえば、

 

(一方のみでも、両方でも動かせるように)切替可能とされている点とか、

②(絵とは少し違いますが、)互いの振動を軽減するために、何らかの形での一体化構造(とすることで互いの振動を打ち消す)とか(実際、そのような効果があるかどうか知りませんが・・・)

 

などが考えられます。

 他にも、色々と良い補正のアイデアがあるかもしれません。

 

最後に

 

 「スラスタを1個から2個にすることは容易か」という事例で、スラスタが別々の場所に配置されている2つの引用発明から、結果的に、スラスタを2個にすることは容易とされそうな場合の事例について検討しました。

 

 また、このような(進歩性を否定されそうな)事例で、特許査定(進歩性ありと判断)されるために、

 

 ① 本件発明の課題と、各引用発明の課題の違い(主に、裁判所向け)や進歩性が肯定される方向に働く各要素に基づく主張、

 ③ (2個「ならでは」を示す)必要最小限度の追加構成の案(補正)

 

についても検討してみました。

 

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