はじめに
前回、「児童ポルノ所持罪で、弁護士を伴って自首すべきか?」という記事を書きました。
masakazu-kobayashi.hatenablog.com
犯罪の性質は全く異なりますが、同じく、自首をめぐって、持続化給付金の不正受給も問題になっていますね。
不正受給を受けると・・・
ニュースによると、持続化給付金の申請を指南する組織があり、学生や主婦が、個人事業主としての実態がないのに、組織に誘わ、指南を受けるなどして安易に虚偽の申告をして100万円の給付を受け、その組織は(たとえば)30万円を手数料として受け取っているようです。
中小企業庁の前掲のパンプレットを見ると、
(100万円+遅延利息金3%)×1.2(20%増し)=120万円+α
の返還を要求していますね。
ちなみに、改正民法で法定利息は(とりあえず)3%ですし、20%増しというのは出資法の上限金利と同じですね。
そうすると、不正受給を受け取ってしまった方は、組織に既に30万円支払った上、更に、100万円の返還はもちろん、20万円+αを支払わなければならないことになります。
結局、計算すると、100万円を返金した上で、
50万円+α
を失うことになりますね。悪いこと(詐欺罪)をしてしまったのだからやむを得ないかもしれません。
自首ビジネス・・・
ここで、またしても、弁護士ビジネスの登場です。
ネットでググると、児童ポルノ所持罪と同様、不正受給(詐欺罪)に関しても、弁護士による同行の自首ビジネスが見られます。
ある法律事務所のHPによると、自首に同行したりして、弁護士費用が数十万円になっていますね・・・。児童ポルノ所持罪と同じビジネスモデルですね。
おそらく、ネットで自首を勧めている弁護士のところに相談に行って言われるのは、
「これは大変な詐欺罪です。組織(身元不明)から指南を受けて30万円を支払っており、共犯事件もになり得、振り込め詐欺同様、非常に重いです。逮捕の可能性も十分にあります。逮捕を免れるため、早期に、迅速な対応が必要です。自首の手続きをしましょう。弁護士がサポートし、同行した方が逮捕の可能性が低くなります。
なお、同行に際しての弁護士費用は、数十万円です・・・。」
といったところでしょうか。
この説明は、最後の一文を除いて、特に間違っているというわけではないのです。
でも、逮捕されていない段階で、弁護士に数十万円を払うべき事案なのか・・・という点が問題です。
弁護士に同行してもらって数十万円も払うより、弁護士に相談し、①不正受給に至った経緯と②(分かる範囲での)組織の情報を書面化し、場合によっては、それをチェックしてもらうのに留めた方が、弁護士費用は、せいぜい5500円~数万円程度で済みそうです。
もちろん、数十万円という多額のお金を払ってでも、弁護士に同伴してもらいたければ、それは止めませんが・・・。
それより、自分自身で自首し、万が一、逮捕されたら、直ちにその弁護士に連絡が行くようにしておけばよいのではないでしょうか。どうせ、逮捕されれば、私選弁護で別途、弁護士費用かかりますし。
あと、先に、前掲のコールセンターに電話して2割増しの返済・賠償を先にした方がよいかもしれませんね。ただし、直ちにコールセンターに捜査機関に通報されてしまうと、場合によっては自首が成立しなくなってしまいます。
コールセンターの対応がどうなるのかは、ちょっと情報がないので分かりません。
実際に私がこの件で相談を受けたら、(依頼者の名前は言わずに)コールセンターでまずは確認してみようと思います。明確な回答はないかもしれませんが。
いずれにしても、もし弁護士の自首ビジネスに乗っかると、まずは、弁護士に数十万円で自首同行をお願いし、更に、それでも逮捕されてしまったら、私選弁護で更に数十万円。トータル100万円くらいになってしまいますね・・・。
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最後に
不正受給により、(組織と2割賠償で)50万円を失った上に、弁護士にも数十万円を払う・・・。
私も、将来、食べるのに困ったら、自首ビジネスでもやりましょうかね(笑)。
もし、今後、何かで自首される際は、下記までご連絡ください。
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(冗談です。)