刑事事件-今年の総括
はじめに
今回は、今年最後の刑事事件の記事ということで、今年受任した刑事事件(の思い出深い事件)の総括をしたいと思います。
邸宅侵入被疑事件
邸宅侵入被疑事件というと「邸宅?」と思われるかもしれませんが、まぁ、住居侵入罪と同じようなものです。マンションの共用部分に無断で入り、(しかもちょっと騒いで、)逮捕・勾留されました。
実質は、別れ際の男女の揉め事のような内容で、緊急時代宣言が出る出ないの頃にも関わらず、被疑者のお父様と一緒に、県外の被害者まで伺って示談をし、無事、起訴されずに釈放されました。
そもそも、邸宅侵入(住居侵入)罪だけで、逮捕・勾留というのは、捜査機関がやり過ぎのような気がしましたが・・・。
覚醒剤取締法違反事件
一審判決(実刑)を受けた被告人の覚醒剤取締法違反事件(国選事件、自白事件)について、控訴審から受任しました。
被告人が深刻な病気をお持ちであったため、こりゃ大変だと、慌てて保釈請求をし、控訴審にも関わらず(※控訴審ではなかなか保釈は認められません)、無事保釈決定が出て、保釈が認められました。
自白事件なので、量刑不当で減刑を目指しましたが、減刑はなりませんでした。
しかし、(上告審は担当できませんでしたが、)上告審においても、保釈請求が認められました。
ご本人やパートナーの方に、大変感謝されました。
減刑(実刑回避)という良い結果は出ませんでしたが、2回保釈が認められ、誠実に対応しましたので、大変感謝されました。
下記記事で、ちょっと触れました。
masakazu-kobayashi.hatenablog.com
masakazu-kobayashi.hatenablog.com
詐欺被告事件
控訴審から受任した詐欺被告事件(国選事件)です。
いわゆる特殊詐欺系ではありません。
全面否認で、被告人と何回も主張内容について話し合い、書面(控訴趣意書)を直し合い、無罪を目指しましたが、なりませんでした。悔しいです。
正直なところ、事件の最初から、つまり、一審から受任して関係者の証人尋問をしたかった(その上で、無罪を目指したかった)なぁと思いました。
残念な結果でしたが、大変感謝され、本事件以外の仕事(民事)も依頼されましたが、残念ながら費用が折り合いませんでした。
残念な結果にも関わらず、被告人の方から、新しく依頼をして頂けるというのは、弁護士としては(信頼されているという意味で)大変うれしい限りです。
実際、受任にまで至らないことの方が多いですが・・・。
それでも、刑事事件関係で、過去2回、相続事件を担当させて頂いたこともあります。
強制性交等被疑事件
強制性交等(昔の強姦罪)被疑事件で、逮捕段階から受任しました。私選事件です。
一部否認事件でしたが、20日の満期の直前に、被害者と示談が成立し、不起訴となりました。
示談が成立していなければ、ほぼ間違いなく起訴されていたであろう事案で、(起訴されて勾留されたまま来年を迎えることなく、)今月(12月)中に無事不起訴で釈放され、ホッとしました。
夜遅くであったにも関わらず、被疑者とその奥様とご両親が、わざわざ事務所までお礼に来てくれました。
この件は、おそらく、今年1番大変な事件だったかもしれません。
でも、頑張ると、その分感謝されて、嬉しいですね。
これに懲りて、一から真面目に頑張って欲しいなぁと思います。
本件自体ではありませんが、本件と関連して、以下の記事を書きました。
masakazu-kobayashi.hatenablog.com
最後に
毎年のことですが、うまくいく事件もあれば、そうでもない事件もあります。
うまくいかなくても、依頼者から感謝されるような活動をしたいですね。
「先生があそこまでやってくれてダメだったんだから仕方ありません。
ありがとうございました。」
と言われるのは、悔しいですが、嬉しいことでもあります。
正直なところ、①事務所で知財事件を扱い、②某企業の知財部で月10日間契約審査業務をし、それに加えて、③刑事事件の担当を続けるのは、正直ちょっと不可能に近いのですが、知力というよりは体力が続く限り、来年も1件でも2件でも頑張りたいと思っています。
どの種類の案件よりも良い結果が出しにくいですが、でも、どの種類の事件よりも依頼者やその家族から感謝されますからね。