はじめに
今回は、刑事裁判が始まる前に、検察官が、弁護人に、検察官が請求する予定の証拠(紙で、閲覧・謄写ができる)を開示するわけですが、そのデジタル化について記事にしたいと思います。
現状
刑事裁判が始まる前に、検察官は、弁護人に、検察官が請求する予定の証拠(たとえば、窃盗の被害者の被害届、被害者の供述調書、実況見分調書、被告人の供述調書などなど)を開示します。
弁護人は、検察庁へ行って、その請求証拠を閲覧・謄写することができます。
刑事裁判に臨むにあたって、通常は、閲覧して内容をメモするだけでは足りませんので、請求証拠(書類)を謄写します。
検察庁の閲覧室には、コピー機が置いてあってその場でコピーできますが、まぁ、コンビニより高かったりします。
業者に依頼してもお金がかかります。
私の場合は、(使わなくなったデジカメ)で請求証拠を全て撮影します。
枚数が多い場合(数百枚とか)は大変ですが、慣れると、比較的短時間で全て撮影できるようになります(笑)。
デジカメ撮影のメリットは、
① コピー代がかからないこと、
② 印刷しなくても、デジタルで閲覧できることです。
ちなみに、裁判所において、綴られた刑事記録を閲覧・謄写する場合もありますが、その場合も、コピー機でのコピーに加え、デジカメ撮影が認められていますので、私お場合は、同様に、デジカメ撮影します。
これをPDF化して、ネットワーク上に置かず、かつ、パスワードをかけておくという風にしています。
なお、東京地検では、(通信機能のない)デジカメでの撮影はOKですが、スマホやタブレットでの撮影は禁止されています。
詳しい事情はわかりませんが、閲覧室の人に「えースマホだめなんですか? 漏洩でもあったんですかねぇ~」とそれとなく言ってみたら、「そうなんですよ。」という回答があったので、どうも、証拠の情報漏洩があったのかもしません。
証拠開示のデジタル化を実現する会
そのような状況の中、昨日、下記の賛同署名依頼がFAXで来ました。
「刑事事件の請求証拠・開示証拠を、検察官が無償でPDFファイルで交付する
ことを政府に要望します。」
という内容です。
要するに、弁護人が検察庁へ行って、金出してコピーしたり、デジカメで撮影させてもらったり、面倒だし金かかるんで、検察官の方でやってくれ!
という感じです。
現状、請求証拠も、裁判記録も全て紙ベースですし、請求証拠の中には(実況見分などの際の)写真が貼られていたりするので、これをPDF化するのは、手間暇がかかりそうです。
んー、確かにPDFで貰えたら嬉しいけど、実現は難しいのかなぁと思いました。
しかし、
「『証拠開示のデジタル化を求める要望書』を、規制改革担当大臣などに宛てて
提出します。」
って書いてあって、「そっ、そうだ、規制改革担当大臣は、あの河野太郎だ!」ということを思い出しました。
masakazu-kobayashi.hatenablog.com
警察署での差入時の職印の押印を不要にしてくれたあの河野太郎先生です。
まぁ法務省マターですが、あの河野太郎先生ならもしかしたら・・・と期待し、ついつい賛同署名をしてしまいました。
頑張れ、河野太郎!
あれ、法務大臣って誰だっけ?
ちなみに、私は、別に自民党を応援しているわけでもありません。
どこも応援していません。
昔、一度だけ選挙に行って(民主党が政権をとったときですね)、・・・それで以降選挙には行っていません。
実績のある人には、是非期待したいという感じです。