202○年4月1日のニュース
202○年4月1日のニュース。
「 本日から、改正刑法が施行され、マスク不着用の場合は、悪質な場合、
刑罰を受けることになりました。
これにより、外でマスクを着用していないことが罪になることになりました。」
法律事務所での会話
弁護士:「マスク不着用罪が施行されたから、これから国選で事件来るかもね。」
事務員:「エイプリルフールではなくて、現実ですよね。どんな規定なんですか?」
弁護士:「条文見てみるよ・・・。えっと、
『正当な理由がないのに、・・・公共の場所又は・・・公共の乗物
において、マスクを着用しなかった者は、3年以下の懲役若しくは
100万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。』
んだって。
これまでは、お店とかだと業務妨害罪とかで対応していたり、
マスクしないで居座り続ける場合は不退去罪とかで対応してたけど、
マスクを着用していないことだけをもって、罪になりましたね。」
事務員:「正当な理由ってなんでしょう?」
弁護士:「多分、病気とかでマスク付けられないとかかな。
実際、小さい子どもとかはマスクしなくても問題ないとされますよね。」
事務員:「いやぁ、もうコロナが問題となった2020年から○年も経ちました
からね。マスク付けるのも当たり前の習慣になったし。逆に、
マスクしていないと服を着ていないように、恥ずかしく感じてしまう
くらいです。まぁ、もうそういう時代ということで、仕方ないのかなぁ。
時代で犯罪って変わるんですよね。大麻は合法になっちゃったし。」
弁護士:「まだ、『信念』をもってマスクしない人もいるけど、一掃されるで
しょうね。そういう人の国選をやるのか・・・。」
事務員:「確かに、今の時代、『マスクするの忘れてました!』なんて言い訳、
もう通用しませんよね。社会通念ってやつですかね。」
弁護士:「まぁ、マスク不着用罪について、憲法違反の争いも出るでしょうね。
私も、言われたら、主張して書いてみるかな。自己決定権の侵害かな。
具体的には、マスクをしない自由、あるいは、鼻と口を公に晒す権利
といったところでしょうか。ワーディングは重要ですね。」
事務所:「ははは。いかにも弁護士って感じ。」
弁護士:「最近だと、皆んなマスクしてるから、この前、事務所に入所した
事務員○○さんの顔って、実は上半分しか知らないよね。」
事務所:「確かに。もはや、顔の下半分を見せるということはないでしょう
からね。」
弁護士:「○○さんの採用担当だったA弁護士は、履歴書の写真を見てるから、
顔見てますよね。マスク姿からすれば、相当整った顔だちのように
感じますよね。」
事務所:「それ以上言うと、セクハラになりますよ。」
弁護士:「確かに、止めましょう。しかし、顔の上半分だけだと、
本人を特定するのに十分ではないですね。もう少し慣れれば、
判断できるようになるんでしょうか。」
事務所:「確かに、マスクしていると、知っている人と街ですれ違っても、
気づかずに、向こうから話しかけられて初めて気づくことも多い
ですね。」
弁護士:「法律相談のとき、相手の表情が十分分からなくて、ちょっと難しいと
感じるときはありますね。」
事務員:「なるほど。ウェブ会議ならともかく、直接の法律相談のとき、
とくに初めての方の場合はそうですね。」
弁護士:「その程度の影響ならまだ良いですけど、ここ最近、人違いで、
暴行や傷害さらに殺人事件まで起こってしまっています。
顔がよく見えないから、人違いの犯行が多発してるんです。」
事務員:「それは、被害者からしたら、たまりませんね。」
弁護士:「まぁ、マスク不着用罪の国選が来るのを待ちましょうかね。」
事務員:「こだわりが強い、立ちの悪い、被疑者かもしれませんよ。」
弁護士:「・・・」
事務員:「あるいは、マスクしなくてもよい国から来た外国人とか・・・。
勾留場所は、羽田の近くの東京空港警察署!めちゃくちゃ遠いですね。」
弁護士:「・・・」
事務員:「いや、今年の東京オリンピックで、酔っぱらってハメを外して、
ついでにマスクも外しちゃった外国人とか・・・。楽しみですね。」
弁護士:「・・・」
(つづく)