はじめに
前回は、ベトナム人の被疑者・被告人について紹介しましたが、今回はフィリピン人の被疑者・被告人です。
masakazu-kobayashi.hatenablog.com
フィリピン人の被疑者・被告人
外国人の事件の中で、フィリピン人の事件は比較的多いです。
一昔前は、中国人、韓国人が多いイメージでしたが、最近は、前回ご紹介したベトナム人とフィリピン人が多いです。
さて、どこの国の方であっても、弁護する場合は同様なのですが、違いは言語です。
中国人は中国語、韓国人は韓国語、ベトナム人はベトナム語ですが、フィリピン人の場合は・・・
です。
私は、中国語、韓国語はもちろん、ベトナム語、タガログ語も全く分かりませんので、通訳の方をお願いするようにしています。
しかし・・・、最近はベトナム人、フィリピン人の被疑者・被告人が多くなったためか、あるいは、通訳をできる方の人数が少ないためか、通訳がなかなかつかまりません。
私の方も色々と仕事の予定があるので、合間を縫って、「〇月〇〇日の〇〇時に〇〇警察署でお願いします。」と連絡しても、ほとんど「すいません。他の通訳の予定が・・・。」と言われてしまいます。
被疑者の場合、勾留期間はどんどん過ぎてしまいますし、被告人の場合、裁判の期日が迫ってきます。
結構困ってしまうことが多いです。
しかし、フィリピン人の方の良いところは、・・・
英語が話せる人が多い!
というところです。
これは有難いです。通訳なしでコミュニケーションがとれるのですから。
まさか、自分が中学や高校で、いやいや勉強していた英語が、中年を過ぎて役に立つとは・・・。
ちなみに、私はドイツに留学をしており、ドイツ語は少しわかるのですが、残念ながらというか幸いというか、ドイツ語圏の被疑者・被告人にあたることはまずありません。正直1度もありません。
ドイツ語圏というのは、ドイツ、オーストリア、スイス(一部)、リヒテンシュタインといった国です。あまり、日本に在住している方はいませんよね。
まぁ、現状、ほとんど可能性はなくなりましたが、仮にオリンピックが行われた場合には、ドイツ語圏から旅行者がやってきて、(サッカーの試合後などに)粗暴犯や器物損壊罪など、何かやらかすということはあるかもしれませんが・・・。
もう一つ、通訳が不在の場合でも、Google翻訳が大変役に立ちます。
予め、通訳が不在の場合は、私が伝えたいことをGoogle翻訳でタガログ語などに翻訳したものをプリントアウトして持参し、これを被疑者・被告人に読んでもらいます。
これで、最低限、伝えるべきことは伝えられます。
このときの注意点ですが、おそらく、「日本語⇔外国語(タガログ語、ベトナム語など)」にするのではなく、「英語⇔外国語(タガログ語、ベトナム語など)」にする方がよいと思います。
ドイツ語の場合、英語⇔ドイツ語は精度が高いですが、日本語⇔ドイツ語はまだ精度が低いです。文法構造からして仕方ないのかもしれません。
タガログ語やベトナム語がどのような文法構造にあるのか全く分かりませんが、おそらくは、英語からの翻訳の方が精度がよいのではないかと推測されます。
これまでのところ、被疑者・被告人に対し、Google翻訳の「英語⇔タガログ語」等で十分理解してもらえているようです。
Google翻訳は無料だし、有難いです。
英語からの翻訳だと、自分の英語の勉強にもなります。まぁ、中年の私が英語の勉強というのも今更感はありますが。
あと、翻訳サイトを使う注意点ですが、個人情報を入力しないことも注意しなければなりませんね。
最後に、フィリピン人の方で不法滞在(正確には、出入国管理及び難民認定法違反)等で逮捕・勾留され、更に起訴される方も多いですが、ベトナム人同様、礼儀正しく、好青年が多いです。
ベトナム人同様、決して偏見を持たないようにしましょう。
最後に
フィリピン人の刑事事件も増えていますが、不法滞在の事件が多く、被疑者・被告人と言えども、好青年で礼儀正しい人が多いです。
タガログ語通訳がつかまりにくいのですが、フィリピン人は英語が話せる方が多いので、通訳不在でも、Google翻訳と併せて、何とか最低限のコミュニケーションは取れます。