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刑事事件-持続化給付金の不正受給も弁護士を伴って自首すべき?(その2)

はじめに

  

 最近、びっくりするくらいアクセス数が多いので、ついに私も、特許弁護士、あるいは、少なくともビール弁護士として世の中に認知されてきたかなぁと喜んでいました。

 

 が、しかし・・・。アクセス解析なるものを見てみたら、グーグル検索から、下記の1記事に大量のアクセスされていたのでした。

 

masakazu-kobayashi.hatenablog.com

 

 持続化給付金の不正受給について自首すべきか、という記事です。

 

不正受給の現状

 

 この記事を書いたときは、刑事事件の時事ネタとして、軽い気持ちで書いたのですが、もの凄くアクセスが多いので、変なこと書いていなかったかなぁと、あらためて読み返したほどです。

 

 その後のニュースを見てみると、全国各地で、続々と逮捕されていますね。

 

 主には、裏で組織的に指南していた人たちが逮捕されているようです。現状、不正受給者を片っ端から逮捕しているわけではありませんので、安心してください。

 

 そのような人たちの指南で、不正受給をしてしまった人が結構な数いるのですね。

 

 「騙された~。」

 

とおっしゃっている人がいますが、騙されたのではなく、騙したのです。

 

 残念ながら、知らなかったとか、不注意だったとかでは済みません。単なる名義貸しでもありません。

 

 詐欺罪が成立します。

 

 しかし、予想以上に多数の方が、いわば騙されて(唆されて)不正受給をしている現状で、警察も暇ではありませんから、片っ端から逮捕・勾留するキャパはないはずです。

 

 ですので、指南役に唆されて不正受給してしまった人は、(警察に先に発覚する前に、)早めに警察に自首した方が良いです。

 

 ①自首により減刑される場合が多いですし、②自首をしたこと自体が、逃亡や罪証隠滅の可能性が低いことを意味しますので、罪になるとしても逮捕・勾留(身柄拘束)は免れる可能性が高いです。

 

 もしかしたら、警察も色々と忙しくて、ちゃんと取り合ってもらえないかもしれませんが、とにかく、事実関係を時系列に紙に書いて、説明できるように準備をしてから出頭してください。

 

 その後で、別途、不正受給してしまった100万円ないし200万円を20%増+遅延利息金で返還する手続きをしてください。

 

 指南役に、手数料として30万円やら50万円やら払ってしまったかもしれませんが、取り返せなければ、勉強代だと思ってあきらめてください。

 

お気軽にできてしまう犯罪

 

 持続化給付金は、コロナで収入が落ちて苦しむ事業者(飲食店など)を救うべく、できる限り迅速かつ簡易な方法で給付金を支給されるスキームで実行され、それはそれでよかったのに、これに便乗した不正受給は、いわば火事場泥棒的であり、大変情状が悪いです。

 

 でも、上記スキームによりあまりに簡単にできてしまうからこそ、(報道によれば)今回のように不正受給者がたくさん出てしまい、心配になった方が、私のブログ記事にたくさんアクセスしたのでしょう。

 

 ネット社会になり、かなり簡単に、それこそパソコンやスマホをいじるだけで、詐欺行為や名誉棄損行為、業務妨害行為ができてしまいます。

 

 便利な世の中ですが、逆に、簡単に犯罪に手を染めてしまうのです。

 

 くれぐれも注意してください。

 

最後に

 

 くれぐれも注意してください、といえば、弁護士などの自首ビジネスに数十万円も払う必要はありません。

 

 仮に、自分ひとりでは対応できずに、弁護士に、先に述べたような事実経緯の書面を作成してもらい、更に、警察に自首するのに同伴してもらっても、弁護士報酬は、せいぜい10万~20万円程度ではないでしょうか。

 

 40万円、50万円それ以上請求する弁護士がいるとれば、それほど支払う必要があるのか、ちょっと立ち止って考えてみてください。

 

 情報弱者や不注意な人は、騙され、そして、失敗します。

 そもそも、単純に考えて、事業の実態もなく、100万円、200万円が簡単にもらえるわけがないのです。

 その上で、通常の書類作成代行で、通常、手数料を「3割」や「5割」(100万円に対して30万円や50万円)もとられるわけありません。

 

 私の刑事事件の記事ではよく書いていますが、犯罪は他人事ではなく、身近なところにあります。

 そして、逮捕・勾留されるということは、これまでおそらく経験したことのない異常な世界(到底、日本とは思えない場所)を経験することになります。

 服を脱がされ、番号で呼ばれ、・・・。

 

 そのようなことがないように、これからも注意して生きて行きましょう。