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スペースX ドッキング・シュミレーター

ISS・ドッキング・シミュレーター

 宇宙関係の記事がこれまでありませんでしたね。実質1回目の記事です。

 

ニュースでご存じかと思いますが、スペースX社が2人の宇宙飛行士を乗せたクルードラゴンの打ち上げに成功し、さらに、ISS(国際宇宙ステーション)とのドッキングに成功しました

 

コロナ渦の中にも関わらず、アメリカが再び、有人飛行を成功させたのは今年一番の良いニュースですね。宇宙旅行も近づいてきました。

 

今日は、スペースX社の宇宙船の実際のインターフェース をもとに開発されたISSドッキング・シミュレーターをご紹介したいと思います。

 

昔の物理式ボタンではなく、タッチパネル式が増えてきており、SFが現実化していますね。タッチパネル式の信頼性も増してきたのでしょうね。

ちなみに、(Amazon Primeで放映していた)ピカード元艦長の最近のドラマ(Startrek Picard)では、(2次元のタッチパネルではなく、3次元の空間に映し出す)空間パネルが登場していますね。

 

スタートレックネクストジェネレーションTNG)でも、初回エピソードで、ピカード艦長が、着任早々のライカー副長に対し、最初の任務として、本体部と円盤部が切り離されたエンタープライズを、(自動ではなく敢えて)「手動で」、ドッキングするよう命令し、ライカー副長の実力を試しましたね。

 

将来、宇宙船の船員になるためには、それくらい重要な任務です。今のうちから、皆様も少しずつ訓練しておきましょう。

 

ということで、スマホタブレットで、下記をクリックして頂くと、いきなり始められます。 

 

iss-sim.spacex.com

 

実際にシミュレーターをやってみました。

まずは、皆様で、適当にいろいろ試してみてください。

 

私の場合は、最初はパラメータや操作の意味もろくに把握せず、適当に操作して)2回失敗しました。その後、パラメターの意味と操作方法をちゃんと確認した後、さらに2回(ドッキング時のYZ軸方向のずれと、Rateの値が高すぎて)失敗し、5回目で、やっと成功しました。

 

以下では、私なりのこつを紹介します。

 

(1)まず、パラメータが7つあることを確認

 

  <右パネルで操作する3つのパラメータ> ※機体の姿勢

   ①Pitch(機首の上げ下げ方向)

   ②Roll(機体の進行方向に対する回転)

   ③Yaw(機体が位置する平面状の機首の横振り方向)

 

  <左パネルで操作する4つのパラメータ> ※機体の位置・ISS方向の速度

   ④X軸(ISSへ向かう方向の位置)

   ⑤Rate(ISSへ向かう方向の速度

   ⑥Y軸(ISSへ向かって左右方向)

   ⑦Z軸(ISSへ向かって上下方向)

 

(2)まずは、①Pitchと②Rollの調整

同時に、たくさんのパラメータを調整するのは(少なくとも私は)難しいです。

そこで、まずは、①Pitchと②Rollの値がゼロになるように、右パネルで調整します。

最初の段階では、ISS方向へ向かうことは気にしなくて大丈夫です。

 

(3)次に、③Yawを調整しつつ、ISSの方向を向く。

次に、③Yawの値がゼロになるように、右パネルで調整しつつ、左パネルで、ざっくりと⑥Y軸と⑦Z軸をゼロになる方向に調整していきます(=ISSの方向を向く。)。

 

(4)ISSへ向かう。

⑥Y軸と⑦Z軸がゼロに近づいてきたら、左パネルの「+」ボタンを押して、ISSに近づいていきます(=④X軸をゼロに向かわせる)。初期設定は200メートルです。その際、⑤Rateの値が増えていきます。

①Pitch、②Roll、③Yawの値が、ゼロであることをときどき確認するようにします。が、実際あまりズレません。

 

(5)接近したら、減速する。

④X軸が20メートル付近までいったら、ここから慎重に操作する必要があります。

⑤Rateの値を確認しながら、「-」ボタンで「-0.1m/s」くらいに減速します。勢いよく加速し過ぎると、⑤Rateの値が上がりすぎて、ISSとぶつかって失敗していまいますので。

 

(6)慣性の方向を予測しつつ、Y軸・Z軸方向を微調整する。

ISSに近づくにつれて、⑥Y軸と⑦Z軸がずれやすくなるので、慣性の方向を予測しつつ、宇宙船が真ん中に(YZ軸がゼロ)くるように微調整します。これが面白い。

 

(7)最終段階は忍耐力との闘い。あせらない。

④X軸がゼロに近づくにつれ、⑤Rateの値もゼロに近づけていきます。最終段階では忍耐がやや必要になります

私の場合、ここで焦ってしまい、(ドッキング時点のRateが高すぎて)2回くらい失敗してしまいました。

 

(8)最後まで、各パラメータ(0.2以下、できればゼロ)をしっかり確認する。

ドッキングの際に、各パラメータを0.2以内にする必要があります

①Pitch、②Roll、③Yawは、一度ゼロに調整すると、その後は、それほどズレません。

注意するのは、ドッキング間近の⑥Y軸と⑦Z軸の値と、⑤Rateの値でしょうか。

 

(9)そして無事ドッキング成功!

各パラメータを0.2以内の状態で、無事ドッキング(④X軸をゼロ)とすれば、無事ドッキング成功です。

 

是非、楽しんでみてください。

 

慣れると、簡単になってしまいますが、タイムを競えれば良いのになぁと思いました