理系弁護士、特許×ビール×宇宙×刑事

理系弁護士・弁理士。特許、知財、宇宙、ビール、刑事事件がテーマです。

特許

特許実務-実施料支払請求訴訟(勝訴!)

はじめに 久しぶりに、自分が主担当だった特許関連事件で勝訴判決でしたので、ちょっと紹介したいと思います。 令和2年(ネ)10008号・令和2年7月9日知財高裁第1部判決[高部裁判長] https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/574/089574_ha…

特許実務-発明報償金の辞退の撤回

はじめに 今回は、発明者(従業員)が、発明報償金の辞退(放棄の意思表示)をした後に、それを撤回する場合について検討したいと思います。 前回の下記記事(発明報償金の辞退)の続きです。 masakazu-kobayashi.hatenablog.com 発明報償金の辞退(放棄の意…

特許実務(ウェットティッシュ事件3 + Cu-Ni-Si系合金事件)

被告製品 はじめに 前々回から、「特許実務」のタイトルで、私が興味を持った裁判例(平成29年(ワ)第28189号 令和2年1月17日 東京地裁40部判決[佐藤裁判長])を紹介しています(https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/418/089418_h…

特許実務(ウェットティッシュ事件2-「略1/2の幅」について)

被告製品の構成 はじめに 前回から、「特許実務」のタイトルで、私が勝手に興味を持った裁判例(平成29年(ワ)第28189号 令和2年1月17日 東京地裁40部判決[佐藤裁判長])を紹介しています(https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/41…

日本スペースロー研究会(JSLA)のホームページ完成!

日本スペースロー研究会のホームページ完成! 久しぶりの宇宙の話題です。 この度、日本スペースロー研究会(JSLA)のウェブサイトが遂に完成しました。 japan-space-law-association.org なかなかカッコ良い感じですね。カッコ良いことは何より大事なことで…

他社特許対策セミナーの講師 & 知財部での勤務

セミナー講師 本日午後に、セミナーの講師をつとめてきました。 johokiko.co.jp 東京でコロナ感染者が増加しつつあるという状況ではあったのですが、幸い、所定の参加人数が集まったということで、(Webではなく、)会場でのセミナー開催でした。 ルールに従…

特許実務(ウェットティッシュ事件1-「略(ほぼ)」について)

1 本件特許発明(判決文より引用) はじめに 今回は、「特許実務」のタイトルで、 下記の特許権侵害差止等請求事件の判決を紹介したいと思います。 平成29年(ワ)第28189号(令和2年1月17日東京地裁40部判決[佐藤裁判長]https://www.courts…

特許実務(特許権侵害訴訟で、17条決定)

はじめに 特許権侵害訴訟が提起した場合、通常は、判決(勝訴、敗訴)で終わるか、和解で終わります。 しかし、今回は、特許権侵害訴訟を提起したものの、その事件が調停に付され(付調停)、最終的に、民事調停法17条に基づく決定(調停に代わる決定ない…

特許実務-発明報償金の辞退

はじめに これまで、(既存の教科書とは違う視点で)「特許入門」というタイトルで記事を書いてきたつもりです。 実際の特許実務では、教科書や本に明確に答えが書いていない論点に出くわして、色々悩みます。今後は、このような論点を「特許実務」で取り扱…

特許入門12(従属項の意義)

独立項と従属項の関係 はじめに 今回のテーマは、従属項(従属クレーム)です。具体的には、従属項の意義について説明したいと思います。 従属項については、以前に、下記の記事でも少し触れたのですが、自分なりに、少し体系的に整理したいと思います。 mas…

特許入門11(発明を言葉で表現することの難しさ3)

はじめに 特許入門2-8では、六角形の鉛筆を例に、「強い特許」(良いクレーム)の書き方をご説明しました。 特許入門9、10では、ドラゴンクエストのスライムの立体形状を例に、発明を言葉で表現することの難しさをご説明しました。 masakazu-kobayashi…

特許入門10(発明を言葉で表現することの難しさ2)

前回の内容 前回の下記記事では、ドラゴンクエストのスライム(の立体形状)について、これを流体中に置かれる「弁」ないし「撹拌機」の立体形状だと仮定し、この立体形状をクレームとして表現することの難しさについて説明しました。 store.jp.square-enix.…

特許入門9(発明を言葉で表現することの難しさ1)

はじめに 特許権を取得するためには、発明を、特許請求の範囲という書面において、日本語等で記載し、他の書類とともに、特許庁に出願する必要があります。 つまり、クレームで、欲しい権利範囲を、日本語で「うまく」表現する必要があるのです。 発明品(実…

特許入門8(鉛筆特許のクレームの検討2)

前回の「平坦面を有する」クレーム検討について 前回は、 「表面に平坦面を有することを特徴とする筆記用具。」 というクレームについて、 (1)形状の特定としての「平坦面」に、「転がり止めのための」という機能的な形容句をつけてみたり、あるいは、 (…

特許入門7(鉛筆特許のクレームの検討1)

クレームの構築(前回) 前回、下記の記事では、六角形断面の鉛筆の仮想事例について、クレームの構築を試みました。 masakazu-kobayashi.hatenablog.com <仮想事例> 従来、世の中には、円形断面の鉛筆しかなかった。 しかし、机から転がり落ちるという不…

特許入門6(技術思想の追及と重層的な権利範囲の構築)

はじめに これまで、特許入門2~5の4回にわたって、「強い特許とは?」何かを説明しました。 masakazu-kobayashi.hatenablog.com masakazu-kobayashi.hatenablog.com masakazu-kobayashi.hatenablog.com masakazu-kobayashi.hatenablog.com 今回は、これ…

特許入門5(強い特許とは?-第4回最終回)

強い特許→立証が容易な特許 はじめに これまで3回にわたってご説明してきました「強い特許とは?」の第4回目(最終回)です。 「強い特許」とは、 (1)広い特許であること (2)つぶれない特許であること (3)回避困難な特許であること (4)立証が…

特許入門4(強い特許とは?-第3回)

強い特許→回避困難な特許 「強い特許」とは? 前2回にわたってご説明してきました「強い特許とは?」の第3回目です。 「強い特許」とは、 (1)広い特許であること (2)つぶれない特許であること (3)回避困難な特許であること (4)立証が容易な特…

京アニ事件の被疑者の逮捕・勾留

京アニ事件について 書くのをちょっと迷ったのですが、書くことにします。 京都アニメーション放火殺人事件は、36人の死者、33人が重軽傷を負ったという凄まじく悲惨な事件です。ご遺族・負傷者・関係者の辛さは想像を絶するものだと思います。もし、自…

特許入門3(強い特許とは?-第2回)

強い特許→つぶれない特許 「強い特許」とは、「つぶれない特許」である 前回の記事では、 「強い特許」とは、 (1)広い特許であること (2)つぶれない特許であること (3)回避困難な特許であること (4)立証が容易な特許であること という4要件を挙…

特許入門2(強い特許とは?-第1回)

強い特許→広い特許 強い特許とは? 私は、 特許実務に関するセミナーをよくやらせて頂いています。 その中で、最初に取り上げる重要なテーマ、 「強い特許とは?」 について説明したいと思います。 なお、「特許」、「特許権」、「特許発明」の用語の使い分…

刑事事件(事案1-傷害罪)

私が担当した刑事事件を、個人情報を特定しないようにデフォルメして、ご紹介したいと思います。 事案(傷害事件) 私が弁護士になって初めて担当した刑事事件です。 若者が傷害で逮捕されたため、私は警察署に接見(=面会)に行きました。 その若者は、ラ…

その弁護士は、本当の特許弁護士か?

その弁護士は本当に特許弁護士か? 特許の紛争案件は、一般的な紛争(賃貸借をめぐる紛争や、借金問題や、相続問題など)と違い、独特の法律と独特の実務があるので、普通の弁護士はなかなか扱いません。特許の紛争を扱える弁護士を、ちょっと格好つけて「特…

特許入門1(特許法とは?)

AB:「どうもー。〇〇〇〇〇〇です。お願いしま~す。」 B:「あー、ありがとうございますぅ~~~、ね、今、『特許出願中のアベノマスクの使い終わった方』を頂きましたけどもね~。」 AB:「ありがとうございます。」 B:「こんなん、なんぼあってもいいです…

理系から知財の世界へ、そして弁護士へ

なぜ、理系から弁護士になったか? 学生時代までは生粋の理系でした。算数・理科は大好き、国語・社会は大嫌いでした。 教科書などを除いて、本もほぼ読んだこともありませんでした。それでも頑張れば弁護士になれるのです。 三重から上京し、東京生活が非常…